ARTIST

森本 J. 遊矢(映像作家)

1984年京都府京都市うまれ。9歳の頃からアメリカ・マサチューセッツでの生活を始める。ボストンのタフツ大学を卒業後、2008年に日本に戻り、東京で映像制作会社につとめながら自分の短編作品を発表し始める。2011年3月の震災にメッセージ性を感じて制作会社からの退職を決意。その後、京都に引っ越してフリーランスの映像作家として活動開始。「現実とスクリーンの中の世界をつなげる」ことに面白みを覚え、ファイナル京都バー(京都)、PEACE CAMP(三重県)、Earth Laughs in Flowers(インド)など、日本と海外で作品の上映会を開く。今回が初の芸術祭参加。

加茂温泉

京都市北区小山西元町45
営業時間=15:00-3:00/定休日=第2火曜日・第2水曜日

ゆったりと入れるスチームサウナが魅力のお風呂屋さん。スチームサウナは、ノドやお肌にも良いと、サウナが苦手な女性にも人気があります。水風呂には小さな氷がポロポロと落ちてくる京都では唯一のユニークな仕掛けがあり、中にはクールダウンで氷を口にする人もいるほど。新しく改装され快適な設備となっていますが、脱衣場の昔ながらの格天井や柱時計からは、歴史も感じ取れます。紫野温泉とともに京都では最も遅い深夜3時までの営業です。

銭湯一夜物語/Sento Tales

素材=映像(HDビデオ)、スクリーン

銭湯を映画館に!この度は加茂温泉のお風呂に浸かりながらでも脱衣場からでも映像作品を観られる空間をご用意しました。上映される作品は、会場となっている銭湯やそれを使う方達を中心に繰り広げられるドラマ形式のものになっており、観ている方達に入り込みやすいものになっているかと思われます。森本 J. 遊矢が画くドキュメントとフィクションの狭間にあるストーリーをいい湯に浸かりながら楽しんでください。

きいろいいえ(インスタレーション)

絵描きであり舞台表現者である松本侑也と森田学によるユニット。場所、人との関わりから「素敵な気配」の存在を模索し、「新しい喜び」の具現化を試みる。絵画による個人制作と舞台芸術に連動するような共同制作を両輪に活動を展開する。
過去の展示
2014年 「村の芸術祭」(南山城村やまなみホール)京都
2014年 「きいろいいえ絵画の二人展」(ギャラリーデン南山城村)京都

若葉湯

京都市北区小山北大野町56-8294
営業時間=15:00-1:00/定休日=土曜日・第3金曜日

昭和7年創業で、先代が昭和28年に経営を継承。脱衣場部分をマンションに建て替えていますが、浴室部分は天井に湯気抜きのある昔のままの姿が残ります。湯口に用いられている陶器製の裸婦像やリス像も、大事に受け継がれ現役で活躍中です。水風呂にもテレビがあるのはサービス精神の表れ。毎週日曜日に実施される「レモン風呂」は、お向かいの八百屋さんから仕入れるレモンを半分に切り、袋に入れて浴槽へ。ちょっと贅沢な気分が味わえます。

「若葉」「時間」/「fresh green」「time」

素材=牛乳ビン、ハーブ、和紙、写真、人工芝、タイルなど

今回若葉湯では、作家が銭湯の方やお客さんと関わりが持てる仕掛けを考え、地域の社交場である銭湯でしかできない表現を探っていく。内容としては、お客さんから牛乳ビンや石鹸箱を回収し、作家からは代わりに若葉湯オリジナルうちわをプレゼントするというもの。集めたものは作品として転用し、作品づくりは芸術祭期間中も行い、随時展示していきたいと考える。他にも若葉湯ならではの展示として「若葉」をテーマに銭湯内でハーブの鉢植えを栽培し、芸術祭期間後にハーブ湯としてお客さんに振る舞える企画も考えている。また、銭湯にあるモノやそこにまつわる歴史、銭湯そのものにフォーカスが当たるような展示も展開する。一見、当たり前のように見落としてしまうものも、そこには歴史や物語があって、作家がピックアップした物にタイル製のキャプションを付けることで銭湯内にある物も作品に取り込む展示をしている。そして、作家が制作した絵や、写真、オブジェも、若葉湯の歴史の一端と位置付け、未来へと繋がっていく若葉湯をイメージ、具現化する展示構成としている。

小松 綾(インスタレーション)

1980年京都生まれ。2003年京都精華大学芸術学部造形学科洋画分野卒業。色彩を使用せずに透明な絵画を描くことを試みた後、透明アクリル板を使用し、表面に凹凸を施してフレームに入れ、それを通して日常の風景を変貌させることを始める。また襖や、公園のサインボード等を透明アクリル作品に替えるなど、作品を見る際の観客も他の観客から見られるという「見るー見られる」という関係性をテーマに制作をしている。主な展覧会に2003年「オトノオコニハ」建仁寺禅居庵内(京都)、2007年個展「部屋—静止した時間」遊工房アートスペース(東京) 、2008年「FOR RENT!FOR TALENT!4」三菱地所アルティアム(福岡)、2009年Foyer Gallery ウィンブルドン芸術大学(イギリス ロンドン)、2009年野外アート展「トロールの森2009」善福寺公園(東京)等。

大徳寺温泉

京都市北区紫竹西高縄町58
営業時間=14:00-1:00/定休日=金曜日

京都には近隣のお寺の名前を冠したお風呂屋さんが数軒ありますが、こちらもその中の一軒。白を基調にした清潔で明るい浴室は、各浴槽がゆったりと配置され、ぬる目の浴槽から熱い目の浴槽まで好みに合わせて入れるのが嬉しいところです。天然地下水100%のお湯は肌触りがよく、水風呂も極上の気持ちよさ。少し路地を入った場所にあり、地元住民以外には少々分かりにくいですが、探して行くだけの価値は十分にあります。

水鏡/mirror of water

素材=透明アクリル板、アクリルミラー

小学校の夏休みのほんの一時、従姉と祖母の家の近所にあった銭湯に通うのが流行ったことがありました。非日常のワクワク感と、他人に裸を見られるドキドキ感が多数の鏡によって増したのを憶えています。湯気の立ちこめる中、湯船に浸かりながら様々な種類の裸を観察していました。銭湯内に設置された作品は、アクリル板を使用し、表面に凹凸を施しています。凹凸は雫が水面に落ち跳ねて静止しているように見えます。それらは光を複雑に反射した水面を連想させ、お湯に浸かった後の身体を歪めて映し出します。また、脱衣所と浴室の両側からも、間仕切りに設置した作品を通して不思議に変貌した銭湯の室内空間を見ることができます。作品を観ている入浴客は、映った客自身の裸の姿を作品の中に見ることで作品の一部になり、他の入浴客からも鑑賞されているという「見る-見られる」の関係性が作品のテーマです。銭湯に訪れた方々が作品の一部になる作品を、鑑賞し楽しんで頂きたいと思います。

日下 典子(ペインター)

1987年大阪府生まれ。2010年成安造形大学造形学部造形美術科洋画クラス修了。就職後も日曜画家として制作を続ける傍ら、京都のギャラリー運営などにも携わっております。私は身体の一部をカメラで写し取り、筆を使わず指で描くフィンガーペイントという技法を用いてそれを拡大された皮膚の絵として再現させます。 それは自らの持つイメージや身体感覚を画面へと記録する行為であり、一種の祈りの形であるとも言えます。どんなに胸を打つ言葉も肌ふれあうことの喜びには勝らないと私は思うのです。2012年 グループ展「fitting room」Gallery Ort Project(京都)、2012年 日下典子個展「遮る肌」Antenna Media(京都)

紫野温泉

京都市北区紫野上門前町16-1
営業時間=15:00-3:00/定休日=水曜日

大学が点在する北区らしく上階は無料で銭湯を利用できる特典付き学生マンションに。深夜3時までの営業も宵っ張りの学生には心強い存在です。マンションの1階ということを感じさせない浴室は露天風呂も完備。地下水が注ぎ込まれる大きめの水風呂とサウナの反復を楽しむお客さんもたくさんおられます。風呂上りにゆっくりできるロビーはギャラリー風の設えで、近隣の風景を描いた絵が展示されているほか、生ビールも楽しめます。

人体(部分)/The human body

素材=油彩、キャンバスにフィンガーペイント。又はアクリル、スラブボイル

広々とした銭湯に圧迫感なく、尚且つボリュームのある作品を展示するため素材を再考しました。露天には過去の油絵展示もありますが、浴室にはスラブボイルの軽い生地にアクリル絵の具で人体を描きました。私はどのような画材を使うにしても常にマッス(塊)を意識します。平面のその先に血が通っているか?筋肉の動きや体温が感じられるか?潜在意識で感じるマッスが、鑑賞者の身体が持つ記憶を呼び戻すと私は考えます。絵をゆっくり眺めてもらうため、意図的にどの部分かわかりにくくしてある絵もあります。ご自身で考えたうえで、ぜひ他の人にも話を聞いて みてください。さぁ、ゆっくりお風呂に入りましょう。

香坂 リサ(アーティスト)

1989年愛知県生まれ。2011年京都造形芸術大学芸術学部美術工芸学科卒業。「人は自然の循環の中に生きている。生きるために食べ、繁栄するためにSEXをし、そして命を落とす。」生物としての基本的循環である「食」「生」「性」「死」をキーワードに取り上げ、現代に生きる人との関係や在り方を、絵画やコマ撮りアニメーション、インスタレーションに展開している。主な展覧会に「EMERGING 2011」(3331 Arts Chiyoda, 東京, 2011)、「2次元と3次元の狭間」(art project space ARTZONE, 京都, 2012)、「460人展」(市民ギャラリー矢田, 名古屋, 2012)、個展「神気ノ森」(Art Spot Korin, 京都, 2014)など。
lisak059945.wix.com/059945

門前湯

京都市北区紫野門前町29
営業時間=14:00-2:00/定休日=木曜日

大徳寺の東側の新大宮商店街に面したお風呂屋さん。京都でも有数の長さの商店街は食品を扱う商店や飲食店も多く、風呂上りにはそぞろ歩きも楽しめます。脱衣場や玄関にはいつも花が飾られていて、フロントを切り盛りする女将さんの心遣いが気持ちもほぐしてくれます。水風呂は京都でも屈指の冷たさで、サウナで十分に身体を温めてから入ると癖になる心地よさ。小さいながらも薬風呂になった露天風呂もあり、リラックス度の高い一軒です。

門前湯雲触門/The clouds gate、
湯屋絵巻/The clouds screen


男湯・女湯それぞれの浴場鏡と扉に作品を設置しています。どちらの作品にも金色の雲が描かれています。これは大和絵の絵巻や屏風絵、襖絵に描かれている「金雲」をモチーフにしており、金雲は絵を豪華に見せたり華やかに演出するだけでなく、場面展開のためのコマ割りの効果もあり、区切られた中ではそれぞれ別の話しが繰り広げられているが、金雲によって一つの作品としてまとめる役割も持っています。この要素を作品に取り入れ、脱衣所から浴場に入る扉に設置した『門前湯雲触門』(もんぜんゆうんしょくもん)では浴場を非日常空間・極楽と仮定し、そこに入る為の門の装飾として制作。また浴場鏡に設置した『湯屋絵巻』(ゆやえまき)では鏡に映り込んだ浴場の情景を切り取るフレームとして華やかに見せながら、銭湯に流れる時間・人が持つ人生など、さまざまな時を展開するコマとして1枚1枚の鏡を見せ、少し離れて全体を見ると一枚の絵巻になっています。ぜひ脱衣所から絵柄を眺めたり、湯屋絵巻に自分の姿を写し、登場人物になって楽しんでください。

吉田 雷太(ペインター)

1984年京都市生まれ。2009年大阪成蹊大学芸術学部研究生卒業。建具や家具、建築用資材などあらゆる素材を使って、無意識的な感覚や状況を形にしようと絵を描いています。グループでの活動も多く、離島での滞在制作や自宅での常設展示、屋台形式のモバイル展示など、空間を作ることや体験を提案することで、既存のアートスペース以外での制作発表の方法を色々な形で展開しています。また、個人・グループ両方の共通点として、人々の生活に近いイメージや素材を使用することで、鑑賞者との接点を設けコミュニケーションを制作発表の重要なツールとして活動を行っています。

京極湯

京都市上京区土屋町通一条下ル東西俵屋町666
営業時間=15:00-0:00/定休日=月曜日

かつては映画館や飲食店が建ち並び、西陣織の職人さんで賑わった西陣京極に立地。先代が昭和21年に経営を受け継ぎ、現在も井戸水を薪で沸かすスタイルを守っています。入口のブロック塀にカラフルな抽象画が描かれているほか、無料で更衣場所を提供するランナーズ銭湯を「入浴されなくても可」という看板を出して京都でいち早く始めるなどユニークな取り組みにも積極的です。存在感のあるレンガ積みの煙突をカメラに収める観光客も多数います。

Change a Face

素材=A4写真用紙・水性顔料マーカー・ラミネートフィルム・マスキングテープ

吉田のペイントをアートの種まきとして拡散してゆくプロジェクト。仕組みはシンプルで、「顔どおしの交換」です。参加者が自分の顔を提供する代わりに、吉田がペイントした他者の顔作品を持ち帰ります。提供された顔はペイントが加わり作品化されることで、また別の参加者が選び、持ち帰っていきます。これを繰り返すことで、作品が流動し、展示としても人々の感覚としても、完成形の無い循環するプロジェクトとなります。顔を出さずとも、自分の意見や情報を発信できる時代になっても、人と人との関わりは無くなりはしません。「この人はどんな人なのか?」という、コミュニケーションによって自然に発生する感情を、アートとして体感してみる。そんなきっかけ作りを目的としています。

後藤雅樹 × 本田陽一郎(彫刻家)

後藤雅樹/1980年愛媛県生まれ。2006年金沢美術工芸大学大学院修士課程鋳金専攻修了。金属を専門に、近年では土やFRPなど多様な素材を用いて、時の彫刻をテーマに立体作品を制作している。主な展覧会に、個展「川口の新鋭作家展2012」川口市立アートギャラリーアトリア(埼玉、2012年)、「ガロン第2回展‐日本背景‐」国登録有形文化財・旧田中家住宅(埼玉、2012年)、「Neu」いりや画廊(東京、2014年)など。2012年、川口市芸術奨励賞受賞。
本田陽一郎/1980年兵庫県生まれ。2006年大阪芸術大学芸術学部工芸学科金属工芸コース卒業。制作、旅などをとおしてしだいに日本人のルーツである縄文人の感受性に関心をもち、文明成立に不可欠な文字、国、戦争、歴史などの概念の外側にあった、もうひとつの人間の生きかたを芸術をとおして模索する。 個展『本田陽一郎彫刻展」(兵庫 2007)、「People Play Puzzle」(兵庫 2008)「Science for the people」(兵庫 2009)、「Floating and Dying」(兵庫 2010)など。

長者湯

京都市上京区上長者町通松屋町西入須浜東町450
営業時間=15:10-0:00/定休日=火曜日

大正6年創業で唐破風の残る建物は昭和11年築。平成14年には京都市の歴史的意匠建造物に指定されました。平安京建都1200年の記念にと20年前に脱衣場に設置した金閣寺と清水寺のタイル絵が、建物とともに古き良き風呂屋情緒を伝えています。また、現在も昔ながらの柳行李を脱衣籠として使う貴重な一軒。井戸水を薪で沸かしたお湯は「まったりしたお湯」との定評があります。平成19年公開の映画「舞妓Haaaan!!!」ではロケ地にもなりました。

非時香菓(ときじくのかくのこのみ)

素材=金属、木、紙、樹脂、植物他

森のなかを深くさまよい歩き、おそれと心細さにとりつかれていたとき、ふと見あげた木の上にちいさな鳥の巣をみつける。巣には、ツガイの親鳥のすがたも雛たちのなく気配もなかった。それでも、このちいさな小枝の集積に、われわれは「いのちのありか」を感じとる。そして、たくさんの木々のなかから親鳥たちに選ばれたその1本の木が、「いのちのありか」を守る場所にかわる。日がさして、あたりを明るくすると、巣のある木から道がひとすじとおっていた。あたりに満ちてくるさわやかな良いにおいにさそわれて、道をすすむ。あゆみに力がもどっている。あたりの空気がだんだん濃くなって、さそう香りもみずみずしさをふくんで、むせるほどである。そこで森がきれて、ぱっと視界がひらけた。そこでようやく気がついた。あのからになった巣がまもっていたいのちとは、この湯のことであった。

福田ちびがっつ翔太
(インスタレーション、パフォーマー、B-BOY、ちびがっつ)

1989年大阪生まれ。2012年大阪成蹊大学/芸術学部/美術学科/現代美術コース卒業。2005年よりストリートダンスを始め、数々の大会に出場。B-BOY PARK2009 solo battle準優勝(代々木公園/東京都)。2008年アートプロジェクト「気流部」発足。現在もふわふわ活動中。2010年より自画像をモチーフにTシャツ、缶バッジなどのオリジナルグッズを制作、販売開始。 2013年ハイパーパフォーマンス集団「MuDA」加入。ダンサーネーム”CHIBIGUTS”。「アートで大爆笑!」を目標にダンス、インスタレーションを軸にジャンルを問わず、様々な表現活動を行う。あなたの心に小さな勇気を!!!!主な展覧会に「現美祭り」大阪成蹊大学/長岡京キャンパス(京都府、2011年)、「こみまる展2011」浜屋敷(大阪、2011年)、「依代プロジェクト」石清水八幡宮(京都府、2013)など。六甲ミーツ・アート芸術散歩2014出展予定。

龍宮温泉

京都市上京区浄福寺通丸太町下ル西入主税町1054
営業時間=15:00-23:00/定休日=木曜日

印象深い屋号は、昭和8年の創業時、先々代が浦島太郎の童話に登場する龍宮城をイメージして命名。当初は龍宮城のように唐破風のある店構えでした。平成24年に大規模なリニューアルを行い、クールダウンベンチなどオリジナルの設備も導入されました。サウナが遠赤外線とスチームの2種類楽しめるなど、夢心地の気持ちよさは龍宮城にも引けをとりません。ホームページを平成10年に開設するなど、情報発信にも早くから取り組んでいます。

龍宮ガッツ温泉/RYUGU GUTS ONSEN

素材=紙、写真、ラミネート、TV、映像、石鹸、ビニールテープ、幕、スプレー など

今回の展示は「ちびがっつ」という、自身のアーティスト名を反映させ、ガッツの溢れるような空間にしています。棚ガッツ(たながっつ)、TVガッツ(てぃーびぃーがっつ)、鹸ガッツ(けんがっつ)、壁ガッツ(へきがっつ)、幕ガッツ(まくがっつ)の5つの作品からなる銭湯全体を使ったインスタレーション作品です。龍宮温泉にゆっくり入りながら、作品を肌で感じて貰って少しでも元気やガッツが出てくることを願います。あなたの心に小さな勇気を!

小笠原 周(彫刻家)

1985年生まれ。京都造形芸術大学で彫刻を学ぶ。マンガと石彫を用いたインスタレーションを展開。その中に石に版を彫り、マンガを作成する作品や、素手で瓦を割る彫刻作品などがある。闘う事や、滑稽さ、強さ、平和に関心を持つ。主な展開会に広島アートプロジェクト、ヒロシマオー、西宮船坂ビエンナーレ、AMA展、豊島ミーティング、のせでんアートラインなどがある。今回は、自身初となる写真とパフォーマンスの作品を展示予定。

展示会場

芸術祭会場となる銭湯全8店舗(紫野温泉・門前湯・大徳寺温泉・加茂温泉・若葉湯・龍宮温泉・京極湯・長者湯)を使ったパフォーマンス作品を展示します。

ザ・銭湯アーティスト/the bathhouse artist

素材=ポスター、ビール

銭湯は素晴らしい。そして、銭湯を愛している人達は素敵である。私は常々そう感じていました。しかし、私個人は1人で風呂に入るのが好きで、なかなか銭湯に行くことはありませんでした。そして、今回も湯船につかるつもりはありません。ただ、銭湯で銭湯好きの人々と湯上りの一杯を共有する、これは是非お願いしたい。そう思い、今回の作品を制作しました。しかも、銭湯芸術祭ということでこちらには話したいことや、聞きたいことがたくさんあります。銭湯という男女別々の空間で過すというシステムも利用し、今回は男湯脱衣所でのみ酒を飲むことになりそうです。おまけに、私の顔をより多くの人に覚えていただけるなら幸いです。

大野由美子 × 塩見友梨奈(インスタレーション)

大野由美子(yumikoono.com)/2010年プラハ美術工芸大学修士課程修了。東欧、中東での留学経験を経て現在英国在住。小さなものや型など、日本文化に関係した要素を様々な媒体で展開する。イスラエル、チェコ、ハンガリー政府奨学金、文化庁新進芸術家海外留学制度。主な展覧会に「DOMANI」国立新美術館(東京2013年)、個展「stone skipping」Entrance Gallery(プラハ2014年)、「線」法然院(京都2012年)等。
塩見友梨奈/1987年奈良県生まれ。2012年京都造形芸術大学院芸術表現専攻染織領域修了。不在の身体感覚や物体として取り残された肉体に興味を抱き、カラフルな布をつぎはぎした身体の抜け殻のような作品群を制作している。2013年京都府美術工芸新鋭展選抜部門大賞。同年SICF14 -Spiral Independent Creators Festival-にてグランプリ賞を受賞。主な個展に「浮遊する境界線」新風館・TOKYU HANDS TRUCK MARKET (京都、2012年)、「2780」スパイラル1Fショウケース(東京、2013年)など。

紫野温泉

京都市北区紫野上門前町16-1
営業時間=15:00-3:00/定休日=水曜日

大学が点在する北区らしく上階は無料で銭湯を利用できる特典付き学生マンションに。深夜3時までの営業も宵っ張りの学生には心強い存在です。マンションの1階ということを感じさせない浴室は露天風呂も完備。地下水が注ぎ込まれる大きめの水風呂とサウナの反復を楽しむお客さんもたくさんおられます。風呂上りにゆっくりできるロビーはギャラリー風の設えで、近隣の風景を描いた絵が展示されているほか、生ビールも楽しめます。

実行委員会推薦作品の展示

公募により選ばれたアーティストの他に、当芸術祭を運営する実行委員が推薦したアーティストが作品展示を行います。

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素材=蛇口、マイク、スピーカー、キネクト、ラジオ、他
実行委員会推薦作品の展示

この作品群は、男女に分かれている銭湯の空間の特質を生かした音のインスタレーションである。この作品は二つの要素により構成され、それらは一見日常的な状況で音による仕掛けが組み込まれている。浴室からはシャワーヘッドに声を発すると、反対の性別の浴室の蛇口からその声が聞こえ、その逆も行われる。男女間で隔たれた浴室が水の出入り口によって繋がれている。集積された音声は、浴室内という要素以外は不特定な情報となり、個である輪郭が取り除かれ機械的に割り振られ再生される。脱衣所からは、室内状況がキネクトにより読み取られ言語化され反対の性別の脱衣所のラジオから実況中継として聞こえる。風呂という個人的な行為が、公共化された場所に機械が介入することで個人的であると同時に非個人的な情報が淡々と公開され続ける。浴室の作品が能動的、人間的、対話的であるのに対し、脱衣所の作品は受動的、機械的かつ一方的である。このように二つの異なるアプローチで、男女別に隔離された空間を、音を用いてつなぐ試みを行う。

西垣肇也樹 × 小倉千裕(ペインター × シンガー)

西垣肇也樹(www.sumarepi.jp/art/)/1985年兵庫県生まれ。2012年京都造形芸術大学芸術研究科芸術表現専攻修士課程修了。「こっち」と「あっち」という関係性をベースに、フォントの使用場所、使用形態、情報内容に着目しペイントする。2012年京都造形芸術大学終了制作展にて大学院長賞、第4回松蔭芸術賞を受賞。主な展覧会に、個展「リメイク・ザ・ウォール」(京都、2011年)個展「和泉屋旅館×西垣肇也樹」(京都、2014年)等がある。
小倉千裕/1993年大阪府生まれ。同志社大学経済学部経済学科在籍。13歳で合唱に目覚め、聖歌隊員として数々の宗教曲を歌う。高校卒業時にはOh Happy Dayのソリストを担当。17歳から本格的に声楽を習い始める。その後、ミュージカルステージ、ディナーショー等に出演。現在も大学で文化政策を専攻する傍ら、歌、芝居、バレエを学び、芸術活動のソフト面ハード面双方に対するアプローチを試みる。

京極湯

京都市上京区土屋町通一条下ル東西俵屋町666
営業時間=15:00-0:00/定休日=月曜日

かつては映画館や飲食店が建ち並び、西陣織の職人さんで賑わった西陣京極に立地。先代が昭和21年に経営を受け継ぎ、現在も井戸水を薪で沸かすスタイルを守っています。入口のブロック塀にカラフルな抽象画が描かれているほか、無料で更衣場所を提供するランナーズ銭湯を「入浴されなくても可」という看板を出して京都でいち早く始めるなどユニークな取り組みにも積極的です。存在感のあるレンガ積みの煙突をカメラに収める観光客も多数います。

実行委員会推薦作品の展示

公募により選ばれたアーティストの他に、当芸術祭を運営する実行委員が推薦したアーティストが作品展示を行います。

スクロール/scrolling

素材=アクリル、ターポリン
実行委員会推薦作品の展示

湯船につかりながらふと天井を見上げると、湯気を抜く天窓が私を覗く。男風呂、女風呂にこだまする会話は、天窓の下でぶつかり、湯気とともに抜けていく。そんなことが頭をよぎったとき、毎日触っている液晶端末のメール画面を上へ上へとスライドさせていく自分を思い出す。次々と、こっちとあっちを往復する吹き出しが流れていく。特に当たり障りの無い内容が続く。男風呂と女風呂にはこっちとあっちの往復はあまりみられない。まれに、お風呂を出ることを告げ合うご夫婦がいるぐらいで、特に個人的なやり取りが行われることはない。しかし相手が見えないのを良いことに、いろいろな想像が出来る。口のニオイ、洗濯の干し方、カレーの混ぜ方、内容は何でも良い。それはメールのように見ることは出来ないし、やり取りも出来ない。そのもやもやとした偏見と勝手な想像が、こっちとあっちを往復し始めたとき、銭湯の湯けむりは本当の熱気へと変わる。

井上康子 × 竹村望(インスタレーション)

井上康子/1987年大阪府生まれ。2012年京都造形芸術大学大学院芸術研究科芸術表現専攻修了。水、染料、光源を用いた平面作品を制作。描写と不確定要素を織り交ぜた工程により、モチーフを解体、再構築する。「a.a.t.m.丸の内2012」行幸地下ギャラリー(東京2012年)後藤繁雄賞、個展「THERE IS A LEAP」ギャラリー_Я(京都2013年)、「KUAD graduates Under 30 selected」ギャルリ・オーブ(京都2014年)清水穣賞 など。
竹村望/立命館大学映像学部在学中。望月茂徳研究室(メディアアート作品制作)の展示での制作活動や、映画制作に関わってきた。最近では、研究室有志の展示『月に足つけて考えて展』(京都市中京区 立誠小学校)にて作品を展示し、また数か国のスタッフを巻き込んだ映画プロジェクト『After Maikoプロジェクト』で制作チーフとして関わった。京都銭湯芸術祭実行委員の中で一番の銭湯好きを名乗っており、毎日桶を持ち歩いている。I love 湯

門前湯

京都市北区紫野門前町29
営業時間=14:00-2:00/定休日=木曜日

大徳寺の東側の新大宮商店街に面したお風呂屋さん。京都でも有数の長さの商店街は食品を扱う商店や飲食店も多く、風呂上りにはそぞろ歩きも楽しめます。脱衣場や玄関にはいつも花が飾られていて、フロントを切り盛りする女将さんの心遣いが気持ちもほぐしてくれます。水風呂は京都でも屈指の冷たさで、サウナで十分に身体を温めてから入ると癖になる心地よさ。小さいながらも薬風呂になった露天風呂もあり、リラックス度の高い一軒です。

実行委員会推薦作品の展示

公募により選ばれたアーティストの他に、当芸術祭を運営する実行委員が推薦したアーティストが作品展示を行います。

浸透/osmosis

素材=プロジェクター、モニター、水槽、豆腐、井戸水、他
実行委員会推薦作品の展示

私たちは、今ある銭湯だけでなく、昔あった銭湯にまつわる風景を探りたいという思いから、フィールドワークを開始し、会場近くのいくつかの場所をまわった。話を聞くうちに、ここ、紫野地区では、銭湯と豆腐屋に繋がりがあるようだと見えてきた。銭湯、豆腐屋、この繋がりは「水」によって支えられている。門前湯もそうだが、豆腐屋も井戸水を利用するところが多い。そして、昔は両方とも川の近くに建てられていたらしい。排水を川に捨てていたからということのようである。しかしその川はもう、暗渠になってしまって見えない。銭湯に豆腐を置き、それを1か月間、毎日交換しにくる。場所を間借りし、植物の面倒を見るように、豆腐の世話をする。番台のお母さんや、近所の豆腐屋さん、常連さん、新しいお客さん、1か月間で出会うさまざまな人たちと、私たちは接していく。普段見えないものとの出会い。人との出会い。私たちが出会った人たちから感じたのは、とても短い時間では扱いきれないような、長い長い時間の上に存在しているものだった。まるで見えなくなってしまった川をたどりながら、歩いているようだと気づいた。